あんなんでも許すのって、やっぱ好きだから…、なのか…?
…惚れた弱みって怖いと思う瞬間だよ……



〜それでも許してしまうのは、君だから。〜



「某、のことを愛しているでござるよっ!」


にこにことやってきて、それは犬のように抱きつくのは俺の恋人である真田幸村。
最初は嫌で嫌で仕方なかったけど、いつの間にかこれが当たり前になっていて。
―――寧ろこれがないと寂しく思えるのは、やっぱり愛ゆえなのかと思うこの頃。


「あー……うん。…オレもユキのこと愛してる。」


それでもそっけない言い方になってしまうのはちょっと諦めが入ってるからだったりする。
つーか、こうでも言わないとてこでも動かないし………。
けどなぁ………


「………………愛が感じられぬでござる。」


これがまた、すっきりばっさり切ってくれるんだよな。
付き合い始めた頃はこれでも通用してたんだけど。(寧ろ「破廉恥でござる!!///」とか叫んでた。)
ここ最近なんか変な拘りがあるみたいで、学校だろうが街中だろうが、公衆の面前だってのに平気な顔してやってくる。
ちょっと灸を据えなきゃいけないなとか思ってるんだけど、この頃はに知恵借りてるみたいでそれも上手くいかない時だってある。
そんな時は個人的にに灸を据えてやってるんだけど。


「いや、ちゃんと入ってるから……」


「入ってないでござる!!」


「入ってるって!!」


「入ってないでござる!!!」


こんな押し問答してる俺たちも俺たちだけどさ。
でもいつも結局俺が折れてる。

………だって、そうでもしないと終わらないから。


「あーもう!分かった分かった!」


は分かってないでござるよっ!」


「ちゃんと分かってるって。」


「だったら、ちゃんと言ってくれるのでござるな?」


そう言って、俺の顔を覗き込むように真剣に見つめてくる。
普段とのギャップが激しいところだから、俺も言う決意するのになんか勇気がいるし。
でも言わなきゃずっとこのままだしなぁ……





「ユ、ユキ……………愛…、してる……///」





何とか自身を奮い立たせて、搾り出すように言った言葉。
多分俺自身見たこともないくらい、顔が真っ赤になってると思う。
知らずのうちに俯いてた俺は分からないけど、多分今のユキの顔は特別なときにしか見せない笑顔なんだろうな…。
その後ぎゅっと抱きしめられて、本当に俺にしか聞こえないくらいの声で――



「某も、だけを愛しているでござるよ。」



って言ってくるんだ。
2人きりのときでもこんな真剣なこと滅多に言わないくせに、こんなときばっかりすごく真面目に言うんだよな。





だから…………ちょっと反則だって思う。
けど、それほど俺がユキを好きなのも事実なんだ。



...end

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