それは繁華街を歩いていたときのこと。
「あれは……」
ちょっと昔、俺を救ってくれた人たちに何年振りかに会ったんだ。
『Meet again』
現在PM6:30。
珍しく瑛がバイトないっていうから、デートしてるんだv
それに、丁度行きたいとこあったし。
今、まさしくその場所に行くところなんだけど、俺の横を歩く瑛はすごくむすっとしてる。
―――まぁ場所が場所だし、瑛は行きたくなくて当然かな。
「ほらぁ、もうちょっとなんだからキリキリ歩く!」
「……ったく、デートするとは言ったが何も今あの店行くことないだろうが…」
げんなりしている理由は、俺が『化粧品専門店に行きたい!』って言ったから。
俺が御用達のお店が今丁度セールしてるんだ〜♪
それを瑛に言ったらすっげぇ呆れられたの!
……たまにしか出来ないデートなんだから、俺のわがまま聞いてくれたっていいじゃん?
「だぁって、あそこのセール明日までなんだぞ?!
折角コレだけの容姿があるんだから、可愛く綺麗にしなくちゃ損じゃないかっ!」
力説した横では「お前男だろうが…」って溜息つきながら言われたけど、俺だって好きに男に生まれたんじゃないやいっ!
そんなこと言ってると、ビジュアル系の人たちに対して失礼じゃないかっ!!
……な〜んてことは瑛には言わない。
言ったら最後、お仕置きされかねないもんな。
俺はそんなことを思いつつ、目的の店で欲しかった化粧品を買った。
勿論、瑛は店内には入らず店の前で待ってたけどね。
それからどこ行こうかって話になって、結局は瑛の家に行くことになった。
まぁ…することは1つしかないわけだけど(苦笑)
「Hey!!じゃねぇか!」
「え?…あ、まさ、む…ね?」
「久しぶりでござるなぁ、殿!」
もと来た道を歩いていたらかけられた声。
こんな呼び方を昔してる人に1人心当たりがあって、もしかしてと思って顔を上げたらやっぱりその人だった。
喋るときは何かしら英語を使う伊達政宗と、赤の似合う真田幸村。
まさか2人に会えるなんて思ってもみなかったよ。
「幸〜♪政宗も久しぶりだな!
俺が中2くらいの頃から会ってないから…大体4年くらい振り?」
「じゃねぇかぁ?あんときゃ、俺らケンカばっかしてたもんなぁ?」
「チカ!ってことは…」
「久しいな、。元親、喧嘩ばかりの毎日は今も変わらぬではないか。」
「ナリ!皆元気そうだな!」
俺が何年ぶりに会うのか考えてたら、いつの間にかチカとナリも合流してたらしい。
あまりの懐かしさに、俺は瑛から離れて幸たちの元へと移動する。
皆、あの頃と変わらない雰囲気なんだけどどこか違うものも出てて、話をしながらそれぞれを見てたら、皆それぞれ恋人いるみたい。
4人とも、幸せそう…………俺たちもそう映ってるのかな……?
「…い、……、!Are you known?」
「へ?」
話そっちのけで俺は違う世界へと行ってたらしい。
名前を呼ばれて気がついたら、目の前には政宗の顔。
それがなんか俺の目には新鮮で、幸や瑛がいるのに不覚にも俺は政宗にドキッとしてしまった。
『これ、瑛に見えてないといいけど……』
内心瑛のことを考えながら恐る恐る振り返ってみると、瑛は既にむすっとしてた。
…これってやっぱお仕置き決定だよなぁ……
そんな心配をしてたら、俺はいきなり後ろに引っ張られた。
そういうことをするのは勿論瑛しかいない。
「悪いけど、こいつ…はオレのなんで。」
背後からぎゅっと抱きしめたまま、皆に向かって宣言してるし///
んなことしなくても、4人ともそんな目で俺を見てないってば!
「Ahー…さっき見た瞬間それは分かった。」
「のヤツ、すっげぇ幸せな顔してたもんなぁ。」
って言ってるのに、瑛はまだ俺を離そうとはしないんだ。
つか、寧ろ強くなってるのは……気のせいじゃあないな。
でも……流石に苦しくなってきたかも。
「はぁ…我らはをそのような目で見てはおらぬ。
それに、が苦しんでおる。そろそろ離したらどうだ?」
「え…?あ、、悪い…」
「ぷはぁ〜・・・た…助かった……ありがとな、ナリ!」
「殿、良き人が恋人になられたな。」
…え?幸、今何て言った?
あのちょっとしたことで「ハレンチ!」って言う幸の口から『恋人』が出るなんて…
この4年間で随分変わったんだな…
「?殿?某の顔に何か付いているのでござるか?」
「ん?違う違う!前に会った時は、すぐに「ハレンチ!」って叫んでたのに、言わなくなったんだなぁって思ってさ。」
ずっと幸の顔を見てたから不思議に思ったみたい。
今の幸の状態を素直に伝えたら、真っ赤になって「ハレンチである!///」だってさ。
やっぱ幸、変わってないよ(笑)
思わず笑ってる俺を見て幸はおろおろしてる。
周りは誰も止める気はないらしく、俺が落ち着くまで笑った後話してたんだけど……背中からの視線はものすご〜く痛かった。
話す事はまだまだたくさんあったけど、気がつけばもう陽は隠れる寸前まできていて。
流石に補導はヤバイってことで解散しようかと誰からともなく言う。
「Hey!、ちょっとこっち向きな!」
俺は政宗の方へ振り向いて―――――額に軽く触れるだけのキスと耳打ち。
きょとんとしてる俺を余所に幸は破廉恥って言いながら政宗揺さぶってるし、チカはニヤニヤしてて、ナリは頭を抱えてる。
当事者の政宗はおかしいと言わんばかりに笑ってるし……。
「……………………(怒)」
はっとした俺が瑛の方を振り向いたときには、腕を掴まれて引っ張って行く。
何度俺が痛いと言っても離してくれなくて、あたふたしながら皆に「またな!」とだけ言って。
それから瑛の気が済むまで散々振り回されて着いた所は瑛の部屋。
すぐにベッドに押し倒されて、「消毒だ」って言いながら結局は最後まで俺を食べて。
「オレの知らないお前を知ってるあいつらにすごく腹が立った」
「楽しそうに話してるお前を見て、俺から離れていくのかって心配だった」
「…簡単にアイツにキスさせたのがムカついた」
政宗たちに会ったことで、俺は瑛に心配かけてたんだなぁって言葉にしてもらって漸く分かった。
でもね、瑛……1つ間違ってる。
俺は瑛が何と言おうと傍にいるよ?
…でもっ!最後のあのキスは予想外だったんだから、大目に見て欲しいな?
「俺には瑛がいちばんだよ?離れていくわけないじゃん!」
じっと瑛を見て真剣な顔で伝えて、ちゅっと軽く音を立ててキスしたら。
「へ?え?瑛…ちょっと、どうしたんだよ?」
「…もう1回しようぜ?」
ま、待てっ!俺はこれ以上したら身体壊れるっての!!
咄嗟に本能が働いて手が瑛を押し返す動きをするけど、瑛はその手を容易く絡めとって――
「んな可愛い事言って、キスまでして煽ったお前が悪い。」
だからさせろ、って俺の身体を撫で回し始めた。
結局敏感になってる俺に抗う術なんてなくて、またまた最後までいってしまった。
…………ま、まぁ…さっきより優しかったし…、いつもこんなだったらいいのにって思う。
それを言ったら最後、またもう1回って言いかねないから言わないけどな!///
今回はすごく満足したのか、瑛はぐっすりと寝てる。
『うぅぅ…暫く政宗たちに合わす顔がないよぉ…』
そんな幸せな顔をして寝てる瑛を見て、夕方政宗たちと話してた自分を思い出して、帰り際にキスされて、その後瑛に満足するまでえっちされて。
悲しくも嬉しい、そんな相反する思いをもてあましていたら、ふと政宗が耳打ちした言葉が蘇った。
―――たまにはオレらのところに来いよ。皆お前のこと心配してるんだからよ―――
...end