「あのね。男の人ってどんなプレゼントが一番嬉しい?」

それは一途な愛情。



SEVEN DAY’S
=プレゼント@=




12月25日…クリスマス。
イエス・キリストの誕生日。


「ま、今の日本じゃ恋人達がそれを理由にいちゃつく日だな。」
「見も蓋もないねひーちゃん。」


だけど、今の日本じゃ恋人の日。
恋人達がそれを理由に街中を楽しそうに仲良く歩く現状。
そして、それは彼には決して人事じゃない。


「…で、神様のくせに恋人のために男がなにを望むか教えて欲しいってか。」
「うん。」


神様だろうと人だろうと誰かを想う気持ちは同じ。
これを機に大切な恋人に最高の贈り物をしたいと思う気持ち。


「男だろ?わかんないのか?」
「今はね。でも、オレ元女だし…男心は未だにわからない。」
「神様の力を使って読めよ。」
「そりゃいくらなんでもやっちゃいけないでしょ?」


それが何かはわからない。
同じ男でも神様でも相手がほんとに望むものが何かはわからない。


「本人に…「『くんがくれるなら何でも嬉しいv』だって…欲がないよね。」
「…【ノロケか!?】」
「どうせならオレしか上げれない。ほんとに喜んでくれるものを上げたい。」


でも、だからこそそれを贈りたいと思う。
恋人を大切に想えば想うほど…だからこそ悩む。
そして、それは相談を受ける彼もわかる事。


「だったら……         …したらどうだ?」
「え…えぇ!?///」
「それを喜ばねぇヤツは男じゃねぇ。って、事で威が待ってるから行くな。」


冗談交じりで言った言葉。
それは半分本気で半分は冷やかし交じりの冗談。


「ちょっ!ひーちゃん!///」
「こっから先は自分で考えろ。なんでもお前なら嬉しいんだろう?」


結局はどんなに悩んだって男なんて単純で。
好きな子が悩んで選んでくれた物なら嬉しいに決まってる(よほど趣味が悪くなければ)
でも、どうせなら最高のものを思うのが人で…



「ど、どうしよう…でも、景さんが喜んでくれるなら…///」

冗談が通じない事だって多々ある。



そんなこんなで迎えた当日。
12月25日、クリスマスに恋人の元を訪れる。


「あのね。景さん、今日はクリスマスなんだよ。」
「くりすます?あぁ、くんたちの世界の行事でさんたさんが子供にプレゼントをくれる。」
「うん。でも、それは子供だけじゃなくて家族とか……恋人とかにもあって…///」
くんそれって…オレにあるの?(嬉しい)」
「う、うん…」


用意したのは手編みの黒のマフラーと手袋(毎年妹に編んでる)
でも、それはほんとのプレゼントはそれではなくて…マフラーを首にリボン結びに。
そして、恥かしさとほんの少しの期待をもって贈る。



「プレゼントは…お…オレだったりとか…///(かぁっ)」

自分という名のプレゼントを…



「え?……えぇえぇぇえぇっ!?」
「……い、一週間、景さんの言う事何でも聞いてあげるんだよ…///」


一週間の独占権。
それが愛しい恋人へのプレゼント。


「なぁ、冬獅朗…が恋人の所から当分帰らないって行って出てったんだけど…」
「え?……マジ?【本気にしやがった!?/汗】」


相談相手が頭を抱えたのは言うまでもない。

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