、今日は何も予定がないと言っていたな?」

うん、と返事をすれば。

「でしたら、我々と共に来て頂きましょう。」

そういって、両脇を挟まれて連れて行かれた場所は……





僕らの住む街―The Reckless GIRL & Unfortunate BOYS―
が御見合い!?〜





私、砂城もとい、伊達がこの異母兄・政宗さんとその御付・片倉小十郎さんと暮らし始めて数ヶ月。
今までも充実していたけれど、更に充実した毎日を送っています。


…何せ、萌えの捌け口が増えたからvv





毎日毎日、トイレとか御風呂場とかリビングとか、至る所に同人誌を置いて、好きなときに読める!
そんでもって、まさにぃやこじゅぱぱにも布教できて、一石二鳥じゃない!?
……なのに2人は一向にハマってくれなくてさ。
(2人とも、男の恋人がいるっていうのにさぁ…絶対理解あると思うんだよね〜)
感想聞いても、「またこんなところに置きやがって!」とか「女子が使う言葉じゃない!」とかって怒られて。

でもっ!そんなことでめげるじゃないもんっっ!!
それで今日も私のコレクションを読ませるために選んでいたら、2人に連行されました。



和風料亭『懐石艶歌』へと。



「…何、ここ………」

「まぁいいから、中に入って着替えろ。」

何やらにやにやしたまさにぃが、私を中に入れようと急かす。
普通、こういうとこって家族で食べに来られる値段じゃないのは分かってるんだけど。
かといって3人で来て、私だけが着替えさせられて食事をするとは思えなくて。


「…これってもしかしなくても………見合い?」

「Bingo!ちぃと気付くのが遅かったけどな。」


効果音でもつけるなら『くっくっく』って感じかしら!
もう本当に嫌味ったらしい顔で笑ってて、一瞬マジで絞め殺してやろうかと思ったくらい。
でも、身長差で出来ないから諦めたけど。
その代わり、家に帰ってやろうと思って2人の間を抜けようとしたら、しっかり羽交い絞めに遭いました。

「離してっ!用事を思い出したから、家に帰るわ。」

「Ah?今日は用事がないんじゃなかったか?」

「今、急に思い出したのよ!」

「それは、この場を差し置いてでもしなければいけないことですか?」

「……当たり前でしょ!」

「小十郎。このまま中に入るぞ。」

「承知しました。」

私の意見は無視!?用事があるって言ってるのに、それを無視するのね!?
ジタバタする私は2人に引きずられながら、店へと足を踏み入れ、私の控え室へと通されました(泣)


2人に連れて行かれた部屋の前には『伊達様』と書かれた紙が張ってあって、中を覗くと、箪笥やら化粧台が設置されてた。

「…着替えなきゃいけないの?」

「当然。」

中に入って、箪笥を開けてみるけど……そこには予想通り着物しか入ってなかった。
その様子を入口で見ていた2人…特にまさにぃはにやにやが止まらないみたいで、早く着替えろ、と急かすんだけど…






着物の着方が分からないのよぉっっっ(号泣)






仕方なく私は襖戸を閉めるように言って、再び着物選びに入る。
柄や色は気に入ったものが数点あったけど、やっぱり着る気にはならなくて。
溜息ばかりついてたら、まさにぃから「まだか?!」って襖戸を開けつつ怒られた。

「いつまで相手を待たせるつもりだ……って、まだ着替えてなかったのか!?」

「…だって着方分かんないんだもん。」

「ったく…今からじゃ、更に相手を待たせちまうしな。
 、そのままでいいから部屋行くぞ!」

そう言って、私の腕を掴んで案内役の仲居さんを呼んで、相手の待つ部屋へと連れて行かれました。
若干掴まれてる部分が痛いけど、そんなのを言わせない雰囲気をまさにぃは出してて…。
こじゅぱぱに何か言ってもらおうと振り返ろうとしたけど、それも出来なくて。



もうこうなりゃ…伊達、覚悟を決めて相手との縁談をけちょんけちょんに断ります!
天地がひっくり返っても、今すぐこの地球が滅ぼされようとも、ましてや今私が殺されようとも、私は断ることを誓います!!


相手に人には申し訳ないけど、私、結婚する気なんて全くないから!



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